どうも!ぎたぺん(Twitter)です!
ワタクシ、今年の冬NAMMでの発表以来3か月以上片思いしていた例のアイツ、遂にゲットしました!
これ、ギタリスト界隈でも結構話題になってました。
スマホに穴が開くほど調べましてね、調べれば調べるほど欲しくなるわけですね。
いつものようにネットショップを漁っていたところ、イケベ楽器楽天市場店がセールしているじゃありませんか!
税込み定価で48,600円なんですけど、この時はなんと税込み約42,000円!!
今しかないと思ってポチりましたよ。
そして、届いてからしばらく経ったので、その使用感をまとめていきたいと思います。
なお、所感の比較対象は、僕が今まで使用していたオーディオインタフェース「TASCAM US-366」です。
(かなり値段差があるので正当な比較とは言えませんが、ご了承ください。)
それでは、いきましょう!!
目次
1. AXE I/O ってどんなやつ?
単刀直入に言うと、ギター用に最適化されたオーディオインタフェースです。
入力インピーダンスを変更できる機能があったり、リアンプ用の端子が付いていたりと、ギター(およびベース)を録音することに最適化されています。
今回は使用感のレビュー記事なので、各種機能や特徴についての詳細は以下の記事をご覧ください。
2. いいところ
2-1. 驚異的な低レイテンシー
DTMerにとっての大きな敵、それはレイテンシーです。
レイテンシーは、主に以下のタイミングで発生します。
- 楽器の入力をPCへ取り込む際にインターフェースで部分で発生
- DAWやプラグインなどの各種ソフトフェアの処理により発生
- PCの音を出力する際にインターフェースで部分で発生
レイテンシーが大きいと、レコーディングの時にタイミングがずれてまともに録音できません。
実機のアンプを使ってかけ録りする場合は、それほど速くなくても(入出力合わせて20ms程度なら)OKですが、ソフトのアンシミュを使う場合は結構気になりますよね。
実際に、以前使っていたインターフェースで BIAS AMP を使用すると、ちょっと録音できないかな~って感じでした。
特にジェント系のリフやブレイクダウンなどの歯切れのよい弾き方はできないです。
そんなレイテンシーでお困りの方は是非チェックしていただきたい。
「で、実際どれくらい速いの?」
こちらご覧ください・・・
入力/出力、ともに約2ms!!
激速ですな~。
こりゃ快適に作業できそうです!
2-2. Z-TONEがやはり便利
でましたZ-TONE。
AXE I/O のメイン機能のひとつですね。
この機能を使う前は、わざわざこんなもの付けなくてもアンプなりエフェクトなりのTONEを調整すりゃいいんじゃないの?と思ってました。
でも、実際に使ってみると結構便利なんですよね~。
基本、アンプやエフェクトの設定っていじらないじゃないですか。
一度好みの音にしたらもうほとんどいじらない。
でも、人間って奴は贅沢な生き物で、一度決めた設定もその日の気分によってイマイチに感じることがあるんですよね。
そんな時に、アンプの設定は変えずにちょちょいと雰囲気変えたりとかできちゃう。
もちろん、気分によって変える用途だけでなく、普段の音作りにも使える。
必須ってわけじゃないけど、一度使ったらヤミツキになる、そんな機能です。
2-3. AMP OUT がイイ
恐らくAMP OUT端子付きのインターフェースは初?ではないでしょうか。
AMP OUT 端子は、リアンプをするときに使います。
リアンプとは?
予めドライで録音しておき、それを再生して実機のエフェクトやアンプで掛け録りすること。
素材(ドライ音)を録音、それにエフェクトをかける、という二段階を踏むことで、より汎用的な音作りが可能になる。
リアンプの注意点
リアンプする際、インターフェースからの出力を機材に通すことになるが、普通にLINE出ししたものをそのまま機材に突っ込むのはNG。
エフェクターやアンプは、ギターが入力されることを前提に設計されているため、ローインピーダンスのLINEだと本来の音が出ません。(ギターはハイインピーダンス)
なので、LINE出ししたものを逆D.I.ボックスに通して「ローインピ -> ハイインピ」に変換してあげる必要がある。
そう、普通リアンプしようと思うと、インピーダンスを変換するひと手間が必要なのですが、AXE I/O にはすでにハイインピーダンス仕様の AMP OUT 端子が付いている!
これ、リアンプを多用する人にとってはこの上ない神機能じゃないですか。
僕はかけ録り派なのであんまりリアンプはしませんが、せっかくなので使ってみました。
・・・すげえイイ。
普段しない人もリアンプしたくなるくらい便利。
なんか、こういういい意味で「自分のスタイルを変えてくれる」機材って魅力的ですよね。
新しい扉が開く感じ。
追記(2020/07/21):
AMP OUT について調査したところ、意見が変わったので追記します。
簡潔に言うと、通常のラインアウト端子でも条件さえ気をつければリアンプできます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
2-4. チューナーが地味に使える
AXE I/O の隠れ便利機能、チューナーです。(別に隠れてないけど)
フロントパネルの中央付近にあります。
TUNERボタンを押すことで使用可能。
音名と、その音名に対して高い/低いがわかるようになっています。
僕は、ヘッドにクリップチューナーを付けておくことが好きではない僕にとっては、ポチっと押してすぐ使えるコイツはかな~り便利。
ただし、普通のチューナーのように”目指す音程とどれらい離れているか”はわかりません。
合ってるか/高いか/低いか、です。
まあこれはスペースの問題もあるので仕方ないですが。
いやしかし、手軽すぎる。
ギター歴の8割フロイドローズギター使っていた僕は、毎回チューニングする癖がついていないので、この手軽さはありがたいですね。
僕以外にも毎回チューニングする癖ついていない方は、ぜひコイツで癖つけましょ!!
追記(2020/07/21):
本機付属のチューナーではやっぱり不満でした。
“どれくらいズレているか” が分からないというのは思った以上に使いづらいです。
別のチューナーを使った方がいいですね。
おすすめのチューナーの紹介記事を置いておきますので、ぜひご覧ください。
3. イマイチなところ
3-1. INPUT1/2のファンタム電源が連動してしまう
最近よくあるD.I. OUT 付きのアンプヘッド。
宅録の強い味方です。
そんなD.I. OUT はXLR端子、そしてマイクもXLR端子。
ダイナミックマイクの場合は何も問題はないんですが、コンデンサマイク使うとファンタム電源をONする。
すると、アンプからの入力にも48Vがかかる!
こりゃあいただけないです。
いや、そもそもギターのためのインターフェースって言ってるんだからそれを求めてはいけないんですけどね。
音もいいし高機能だからこういう細かいところが目立ってしまうんです・・・
ま、ヘッドのD.I. OUTとコンデンサマイクを同時使用したい場合は、XLR -> LINE 変換ケーブルを使いましょう。
3-2. INPUTの種類を手動で切り替えられない
AXE I/O は入力が2系統あって、それぞれ INST/LINE/MIC(XLR) の3つの入力に対応しています。
INSTはフロントパネルに、LINEとMICはコンボジャックとしてバックパネルについています。
AXE I/O を購入すると、設定や中のルーティングをいじれるControl Panelソフトが使えるのですが、そこに現在の入力が表示されるようになっています。
こんな感じです。
購入前、僕はてっきり入力の種類を手動で選べるのかと思ってたんですが、実は自動でした。
ちなみに、INSTとLINE/MACを同時に入力している場合、INSTが優先されます。
そして、これ何が不満かと言うと、何度も言ってますが僕はかけ録り派なんです。
でも、Z-TONEはINSTにのみ有効だし、僕のヘッドはXLR出しです。
そう、かけ録りするとZ-TONEの恩恵を受けられない!(涙)
なので僕はどうしてもZ-TONEを使いたいがために、このようなルーティングを組んでいます。
- ギターをINPUT1にINSTとして入力(これでZ-TONE使える & 生音なのでチューナーの精度上がる)
- INPUT1をAMP OUTに結線する(INPUT1のTO AMP OUTってとこ押す)
- AMP OUTの出力をペダルボードとヘッドに通す
- ヘッドのD.I.OUTをINPUT2にMICとして入力
これで2系統の入力が埋まってしまいました(泣)
AMP OUTの出力をINPUT1に入れて入力の種類を選択できればよかったんですけどねー。
でもそうなると上記手順1と2が破綻するのか。
いや、ルーティングとしての入力と、最終的に取り込む入力を選べたりとか・・・わがままですけどね。
これはハードウェアの構成も絡んでくるのでソフトのアップデートでは何ともならんでしょうな。
そもそも、複数の楽器を入力したいのであれば、もっと入力数の多いインターフェースを買えということになるんですがね。
これはギター/ベース専用、そう割り切って使いましょう。
3-3. 自動サンプリングレートコンバータが搭載されていない
購入前さんざん調べたのですが、これに関してはどこのレビューサイトにも載ってなかった・・・
使ってみて初めてわかりました。
自動サンプリングレートコンバータとは?
オーディオインターフェースについている機能。
複数のアプリを立ち上げているとき、それぞれのサンプリングレートが異なる場合であっても、自動で変換してくれて出力できる。
自動サンプリングレートコンバータが搭載されていないとどうなるの?
サンプリングレートが異なる複数のアプリを立ち上げると、そのうちの一つしか音が再生できなくなる。(基本的にはDAWが優先される)
例: Cubase(48kHz)とYouTube(44.1kHz) を同時に使用するとYouTubeが再生できなくなる
そうなんです、AXE I/O には自動サンプリングレートコンバータが搭載されていない。
だから、DAWを立ち上げているときにその他の音が出るアプリが使えないんです・・・
あ、堂々と”自動サンプリングレートコンバータ”と言っていますが、正式な呼び方は知らないのでこう言ってます。笑
一応、対策はあって、DAWのプロジェクトを44.1kHzにすれば解決できます。
でも、基本的に曲作るときって48kHzじゃないですか。
44.1kHzで録るのは何となく気が引ける・・・
まあ、これ別に困らない人もいるかと思います。
作曲中はDAW以外の音楽アプリ立ち上げない人。
僕は、曲作りながらアイデア出しとかでYouTube開くことがかなり多いので、これはかなり致命的な問題。
以前使っていたインターフェースでは何の問題もなく同時使用できていたので、それが普通なんだと勘違いしてました。
YouTube、サンプリングレート変えられないかな~。
4. まとめ
はい、今回は IK MultiMedia AXE I/O についてレビューしました。
3週間ほど使ってますが、ギターの録音にはこれ以上ないくらい便利です。
- 音質は文句なし
- ダイナミックレンジも大きい
- 超低レイテンシー
- いろんな便利機能
- 本体より高額なバンドルソフト付属(笑)
価格は5万円と少し高いですが、すげえいいです。
ただし、ギター/ベースに特化しすぎているあまり、”歌も録りたい!その他の楽器も録りたい!”みたいな汎用的な使い方にはちょっと向いてなかなーと思います。
単純に入力数が少ないからですけどね。
欠点というかそういう仕様です。
“ギターメインで宅録、それ以外の楽器はあまり使わない”という方は、これ以外の選択肢はないのではないか。
そう思えるほど、ギタリストに寄り添った製品だな~と思いました。
インターフェースの買い替えを検討しているそこのギタリスト!
是非検討してみてくださいな!
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