どうも!ぎたぺん(Twitter)です!
NAMM2019 気になる新製品を深堀りするコーナー第一弾。
今回は、IK MUILTIMEDIA AXE I/O というギター用オーディオインターフェースを調査します!
早速、以下の項目に分けて見ていきましょう~!
AXE I/Oの一番の特徴とも言えるのが、このZ-TONEつまみです。
“Z-TONE”とはIK MULTIMEDIAが特許申請中の技術で、入力インピーダンスを変化させる機能です。
インターフェースに入力する機器の出力インピーダンスは、ギターひとつとってもメーカーやピックアップによって様々です。
入力インピーダンスを変化させられるということは、入力機器に応じて最適な設定にできる、効率的に信号を伝達できるということです。
(入力/出力インピーダンスについてはこちらの記事で解説しています。)
なお、このつまみは、左側(SHARP:1[MΩ])に回すと歯切れの良い音に、右側(BOLD:2.2[kΩ])に回すと太い音になりますので、単純に音づくりのひとつとしても使うことができます。
曲や雰囲気に合わせてささっと音のキャラクターを変えられるので、意外と使い勝手が良さそうですね。
続いて、PASSIVE/ACTIVEスイッチです。
パッシブかアクティブかというのはピックアップの話です。
使用するギターによって切り替えて使います。
PASSIVEにすると増幅回路を通り力強い音に、ACTIVEの場合は既にギターのアクティブ回路を通っているので、AXE側の増幅回路はバイパスされます。
このスイッチもZ-TONEつまみ同様、手軽に音づくりをできる手段のひとつとして使えそうですね。
上記2つに加え、まだ音づくりの幅を広げる機能があります。
それがJFET/PUREスイッチです。
JFETというのはFET(電界効果トランジスタ)と呼ばれる電子部品の種類のひとつで、増幅回路を構成するときに使われます。
JFET側にすると、増幅され倍音が付与されて温かいサウンドに、PURE側にすると、増幅回路を通らない素直な音になります。
今までのオーディオインターフェースで、これほどまでに音づくりのために考えられたものがあったでしょうか。
これ、個人的にはかなり嬉しい機能です。
そうです、インターフェースにチューナーが付いているのです。
バンドルソフトに付いているわけではありません、本体に付いているのです。
常にクリップチューナーを着けている人は良いかもしれませんが、僕のように邪魔なものは付けたくない方もいるでしょう。
また、いちいち屈んで足元のペダルチューナーを見たり、ソフトウェアのチューナーを立ち上げるのも面倒。
そんな方にとってはこれ以上便利なチューナーはないのでは。
出た~、まさかのアンプアウト。
リアンプを意識したものです。
ギタリストのために作られたと謳っているだけあって、かなりの徹底ぶり。
最近はスタジオ、自宅問わずリアンプを使って録音する方が増えています。
もちろん、プラグインのアンプシミュレータを、録音したギタートラックにかけるという方法の方が楽ですが、やはり出来ることなら本物のアンプでリアンプしたいですよね。
普通、リアンプしようとすると、インターフェースの低い出力インピーダンスを高いインピーダンスに変えるためのリアンプボックスという機器が必要です。
これは、アンプはギターの出力を入力されることを想定しており、ギターの出力が高いインピーダンスを持っているためです。
ギターの入力だよ、というふうに見せかけているわけです。
しかし、AXEならこれ一台でリアンプまでこなせちゃう。
万能過ぎます・・・敬礼
AXE I/O は付属ソフトウエアもかなり強いです。
なんと、合計で12万円分のソフトがバンドルされています・・・恐ろしい
それでは、一つずつ見ていきましょう。
<Control Panel アプリケーション>
AXEの設定をいじるための、AXE専用のソフトウェアです。
他のインターフェースでも、それ専用のソフトはよく見かけますね。
実際に何ができるかというと、本体パネルの操作子に関係する設定はもちろん、ルーティングや外部コントロール機器、MIDIの設定などもできます。
とりあえず一通り細かい設定はできると思ってOKです。
<AmpliTube4 Delixe>
さすがはIK MULTIMEDIAといったところ。
メーカーを代表する製品、Amplitubeが付属しています。
Amplitubeは、Bias Ampと双璧をなすプラグインアンプシミュレータです。
140種類を超えるモデリングに加え、マイキングの調整や真空管アンプの真空管の種類まで変えられるという、”やりすぎじゃない?”って思ってしまうほど何でもできます。
もちろん、ただ何でもできるだけでなく、モデリング精度もプロミュージシャンのお墨付き。
<T-RackS 5(の一部エフェクト)>
こちらも、同社が手掛ける製品であるT-RackSというプラグインソフトウェアです。
ミックス・マスタリングに使えるエフェクトが10種類入っているとのこと。
コンプ、EQ、ディエッサー、ディレイ、リバーブなど、マスタリングをする上で必要なエフェクトはほぼ全て揃っています。
<Ableton Live 10 Lite>
有名どころのDAWです。
Ableton Liveは、数あるDAWの中でもライブ向きと言われています。
本番で便利な機能があったり、使いやすい操作性に調整されているみたいです。
有名どころだけあって、操作の仕方がわからなくても、たくさんの記事がありますので、それらを参考にすれば困ることはなさそうですね。
<Massive>
こちら、公式HPには記載されていませんでしたが、YouTubeにあがっている製品動画内では紹介されていました。
Massiveはプラグインシンセサイザーです。
波形の種類やピッチなどの基本的なものからADSR(アタック・ディケイ・サスティーン・リリース)まで、かなり細かい調整ができます。
細すぎるのでシンセの知識がないと作り込むのは難しいかもしれませんが、慣れてしまえばかなり幅広い音作りができます。
EDMやクラブミュージックで使われるブリブリシュワンシュワンキャンキャン鳴る音が何でも作れちゃいます。
これを機にシンセサイザーの勉強をしてみるのも悪くないのでは。
AXE I/O を購入したので確認しましたが、Massiveは付属していませんでした。(あの動画は何だったのか・・・)
くれぐれもご注意ください。
入出力関連の仕様は以下のようになっています。
- 24bit/192kHz A/D,D/Aコンバータ
- USB 2.0
- 2入力(Line1-2, Mic1-2, Instrument1-2)
- 5出力(Line1-2(モニター用バランス)、Line3-4(アンバランス)、AMP OUT)
- 外部接続2系統
- MIDI IN/OUT
- ダイナミックレンジ 117dB
税込で48,600円となっております。
2020年6月15日現在は少し値下がりして税込み47,000円ほどになっています。
オーディオインターフェースとしては中価格帯ですね。
決して安くはないですが、約12万円分のバンドルソフトも考えるとかなりお得では。
単刀直入に言いますと、個人的には大アリだと思います。
バンドルソフトも豊富なので、単純にコスパがいいというのもありますが、現在(2019/02/11)において、これほどまでにギタリストのことを考えたインターフェースは他にないからです。
“AXEでなければ出来ないこと”が多いので、十分に買う価値はあると思います。
ただ、Z-TONEやJFET/PUREスイッチなど、それほど効果があるのかわからないというところは不安要素のひとつです。
“これなしでは不便を感じる”のか、”あったら便利”程度なのか、”なくてもいいかな”なのか、こればかりは実際に使ってみないとわからないですね。
また、完全にギタリストにターゲットを絞っているので、入出力数はこの価格帯にしては少ないです。
注意してください。
あとは、このご時世にUSB2.0かよ、という時代遅れ感もありますが、これはまあ大したネガティブ要素ではないでしょう。
僕はお財布と相談しつつ前向きに購入を検討しているので、購入したらまたレビューをあげようと思います。
それでは、楽しい音楽ライフを!!
AXE I/O のご購入はこちらから!↓
追記1:
AXE I/O を購入したのでレビューしました!
是非ご覧ください!
【機材レビュー】IK MultiMedia AXE I/O【オーディオインターフェース】
追記2:
2020年の Winter NAMM Show で、AXE I/O Solo という下位モデルが発表されました。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
【NAMM2020】IK MULTIMEDIA – AXE I/O Solo【究極のコンパクトインターフェース】