【機材調査】AXE I/O のアンプアウトの効果に迫る

【機材調査】AXE I/O のアンプアウトの効果に迫る
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どうも!ぎたぺん(Twitter)です!

 

今回はですね、僕の愛用しているオーディオインターフェース、IK MULTIMEDIA – AXE I/O の AMP OUT 端子について調べたいと思います。

 

 

 

 

1.経緯


普段からリアンプしまくってる僕が言うのもおかしな話ですが、最近ふと “AMP OUT 端子ってホントに意味あるの?” って思いまして。

 

いや、意味があるから搭載されているのでしょうが、その効果の度合いを知りたいわけです。

「これは無いと困るね」なのか「あったらいいね」なのか「別に要らなくね?」なのかを知りたいのです。

 

そもそも、なぜこんなことを思ったかと言うと・・・

 

オーディオ機器の接続において”ロー出しハイ受け”の法則ってありますよね。

楽器をやられている皆さんならご存知の方も多いはずです。(何のこと?と思った方はこちらの記事を読んでください)

 

その”ロー出しハイ受け”の法則は、リアンプを行うシステムでも守られています。

インターフェースのラインの出力インピーダンスは数百[Ω]、アンプの入力インピーダンスは数百[kΩ]です。

(※上記の数値は製品により様々なのであくまで目安です)

 

「あれ、ちゃんと”ロー出しハイ受け”守られてるじゃん。」

「じゃあ、AXE I/O の AMP OUT って何のためにあるの?」

 

そんなわけで実際に調べてみることにしました。

 

 

 

2.実験方法


目的は、アンプアウト端子の必要性を確かめることです。

通常のラインアウト端子から出力した場合でも問題なくリアンプできたら不必要、できなければ必要と判断します。

リアンプできるできないの判断基準については、アンプアウトからの出力と比較して遜色なければOKとします。

 

音量のチェック

  1. sin波のwavデータを通常のラインアウトとアンプアウトからそれぞれ出力
  2. 何も繋がずそのままインプットに返し、波形の違いを見る

 

周波数特性のチェック

  1. ホワイトノイズのwavデータを通常のラインアウトとアンプアウトからそれぞれ出力
  2. 何も繋がずそのままインプットに返し、波形の違いを見る

 

※ wavデータはこちらからお借りしました↓
橋本技術研究所さん

 

 

 

3.実験結果


早速結果を見ていきましょう。

まずは、音量のチェックから。

 

一番上がsin波のwavデータ、真ん中がアンプアウト端子から出力したものを収録したデータ、一番下が通常のラインアウト端子から出力したものを収録したデータです。

アンプアウトはかなり小さいレベルですね。

一方ラインアウトはレベルが大きすぎてクリップしてしまっています。

 

ついでなので、実際にアンプに通して比較してみました。

上が、BIAS MINI で作った超クリーンパッチ、下が同じく BIAS MINI の激歪みパッチです。

 

さすがに歪ませてしまうとあまり差はないですね。

ですが、クリーンだと差はわかります。

あきらかにラインアウトの方は形が崩れています。

 

音量は大きく差があることがわかりました。

では、周波数特性の方はどうでしょうか。

 

スペアナのスクショを3つ貼ります。

 

レベルの差はありますが、周波数特性的には大きな差はないように見えます。

音量こそ違うものの、音のキャラクターは同じということですね。

 

以上2種類のチェックからわかることは、通常のラインアウトとアンプアウトの違いは、“単純にレベルが違うだけ”ということです。

 

ということは・・・

「ラインアウトから出す場合、音量を絞ってあげればアンプアウトと遜色なくなるのではないか?」

 

LINE OUT の出力を AMP OUT と同じくらいになるように下げ、録音してみました。

こちらご覧ください。

 

うん、同じですね。

 

スペアナでも見てみましょう。

 

ラインアウトの場合、若干フロアノイズが多めですが、それ以外は差はありませんね。

 

この状態で実際にアンプに通して音を聞き比べてみました。

 

・・・うん、同じですね。

クリーンでも歪みでも同じです。

少なくとも僕の耳では違いがわかりませんでした。

 

 

 

4.まとめ


以上の実験を踏まえた僕なりの結論ですが、AXE I/O のアンプアウト端子は「あるに越したことはないけど、なくてもそれほど問題ないかな」です。

いちいちレベルを下げないといけないのは確かに面倒ですが、逆に言うとレベルさえ絞れば普通にリアンプできちゃいます。

ただし、フロアノイズは若干不利ですので、やはり AMP OUT 端子を使うのが確実です。(そりゃ当たり前ですね笑)

とはいえ、AXE I/O を買った理由のひとつが AMP OUT 端子だったので、ちょっと複雑な気分です・・・

無知な自分を呪うしかないですね。

 

そして、最後に二点注意点があります。

  • これはあくまで AXE I/O の AMP OUT 端子の話であり、これが無くてもいいからと言って市販のリアンプボックスも不要と結論づけるのはやめてください。
    • 僕はリアンプボックスを持っていないので実験はできませんが、機器のスペックを見るにインピーダンスがかなり異なります。(例として Radial – Reamp JCR は4.8[kΩ]、AXE I/O の AMP OUT 端子は100[Ω])
    • リアンプボックスを通してリアンプする場合と、ラインアウトからリアンプする場合を比較すると、大きな違いが確認できるかもしれません。

 

  • オーディオインターフェースのラインアウト端子のスペックは各社様々です。
    • 出力インピーダンスや規定出力レベルはメーカーごとに結構異なります。
    • AXE I/O のラインアウト端子はめちゃくちゃレベルが大きいのでそのままではリアンプできませんが、他社のインターフェースであればそのままリアンプできちゃうかもしれません。

 

はい、というわけで今回は IK MULTIMEDIA – AXE I/O の AMP OUT 端子の真相に迫りました。

個人的にちょっとがっかりした結果になりましたが、真相がハッキリしてよかったです!

たまにはこうやって疑問を調査するのもいいですね。

 

※本記事の結論は個人の見解によるものです

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