【機材レビュー】FOCAL – Listen Professional【モニターヘッドホン】

【機材レビュー】FOCAL – Listen Professional【モニターヘッドホン】
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どうも!ぎたぺん(Twitter)です!

 

去年結婚してから約半年、以前の自分にとっては考えられないほどお財布の紐を締めていたんですが、特別定額給付金が貰えるとのことで「ええい!」とポチりました。

というわけで、なんと今年初の機材購入でございます。(わーパチパチパチ)

 

何を買ったかといいますと、前々から気になっていたモニターヘッドホンです。

こちら、どどん!

 

FOCAL – Listen Professional

 

ん~、ワインレッドのイヤーパッドがおしゃれですね~。

では早速まとめていきましょう!

 

 

 

 

 

1.Listen Professional とは


フランスのオーディオメーカー FOCAL のモニターヘッドホンです。

FOCAL というとホームオーディオやカーオーディオのイメージが強く、ヘッドホンを作ってることを知らない方もいらっしゃるかもしれません。

実際に、FOCAL がヘッドホン事業に参入したのは最近(数年前)なので歴史は浅いです。

ですが、ヘッドホン開発の歴史こそ浅いものの、長年のスピーカー設計技術を存分に生かしており、その性能は折り紙付きです。

また、”Professional”と謳っているように、プロの現場での使用を想定した設計になっており、音質だけでなく取り回しや耐久性なども高いレベルでまとめられています。

 

 

2.特徴(音以外)


2-1.キャリングケース付属


キャリングケースが付属していること自体は珍しいことではないですが、Listen Professional のキャリングケースはそんじょそこらのものとは一線を画します。

こちらご覧下さい。

 

ハードケースと言いましょうか、かなり頑丈な作りになっています。

ちょっとやそっとの衝撃程度では内部のヘッドホンは全く無傷です。

また、簡素ではありますが持ち手がついているのも嬉しいですね。

 

そして、ケース内には、なんとiLokを収納用できるゴムバンドが付属しています。

iLok とは?

DAWやプラグインエフェクトなどのソフトウェアを使用するためのライセンス情報が格納されているUSBドングル。
ライセンス情報を持ち歩けるので、どこのPCでもソフトウェアを使用できる。
また、この認証方式はオフライン環境でも有効なので、レコーディング現場などで重宝する。
なお、iLokはソフトウェアの違法コピー防止を目的として作られたそうです。

 

プロ仕様というだけあって気遣いが行き届いてますね。

iLokを使わない場合でもUSBメモリを入れたりできるので、これは何かと便利。

こういう細かな気遣いがユーザーの心に響きますよね。

 

 

2-2.ケーブルが2種類付属


Listen Professional にはケーブルが以下の2種類付属しています。

  • カールケーブル(5m / ステレオミニプラグ-標準プラグ変換アダプタ付属)
  • マイク付きリモコンケーブル(1.4m)

 

僕はiPhoneユーザーなので、リモコンケーブルを使う機会はないですが、あったらあったで便利ですよね。

普段家で使う場合は音質的にもカールケーブルの方を使うことをおすすめします。(って取説に書いてありました)

 

ちなみにこのカールケーブル、ヘッドホン側の端子部分に抜け防止のロック機構があります。

差し込んでくるっと半回転させることでロックされて抜けなくなります。

 

僕みたいにギター弾きながらヘッドホンしてると、ヘッドホンのケーブルがギターと体の間に挟まって、体勢を変えた時にブチッと抜けることがあるんですよね。

まあ、抜けたらさせばいいだけなんですが、作業中はなるべくストレスを減らして集中したいので、ありがたい機能です。

iLok収納用ゴムバンドもそうですが、こういう細かい気遣いはほんとに嬉しいですね。

 

 

2-3.イヤーパッドがおしゃれで上質


Listen Professional を一目見て思うこと、それは「おしゃれ!」です。

ヘッドホンのイヤーパッドっでほとんど黒なので、色物、特にワインレッドは目を引きます。

 

そして、このイヤーパッドは布生地で肌触りがよく、また形状記憶フォームを用いているため密着感がとても高いです。

遮音性も高いため、外界から遮断されて自分の世界に入り込めます。

また、片耳を外してモニターしながら生音を聞くような場面で、外した側の音が漏れてこないので、レコーディング現場では重宝するみたいです。

 

ちなみに、パッドの直径(内径)は5cm強と小さ過ぎず大き過ぎず。

ほとんどの方すっぽり収まるでしょうが、耳の大きい方は窮屈かもしれません。

気になる方はご自身の耳を測っておいてくださいね。

 

 

2-4.ヘッドバンドは段階調整


Listen Professional のヘッドバンドは段階調整です。

カチカチとクリックがついているので、左右で長さをきっちり合わせられるのがいいですね。(目盛はついてないです)

 

無段階調整の方が細かく調整できますが、すぐズレてしまうのが難点。

一方段階調整は、無段階ほど細かくは調整できませんが、一度調整すればある程度の力を加えないとズレないので安心感があります。

ここら辺は人の好みなので、参考までにどうぞ。

 

 

2-5.ヘッドバンドの柔軟性がすごい


“Professional” と謳っているだけあって、耐久性も十分考慮されています。

こちらご覧下さい。

 

「そんな曲がる?」ってほど曲がります。笑

これだけ柔軟性があれば多少雑に扱っても全く問題ないですね。

安心して使えるもの、大事なポイントですね。

 

 

3.注意点


3-1.側圧は強め


他の方のレビューでも見かけますが、側圧が結構強いです。

とは言え、イヤーパッドが柔らかくて上質な上、耳をすっぽり覆ってくれるので、不快になることはありません。

むしろ、このくらい強い方ががっつりホールドされて安心感があるので個人的には好きです。

遮音性能や没入感を得る上でもある程度側圧が強いのは仕方ないことなので、どっちをとるかという話ですね。

 

参考までに、僕の妻に着けてもらったら「痛くて長時間着けられない」とのことでした。(妻は頭が締め付けられる系(ヘッドホンや帽子、眼鏡など)が苦手です。)

作業に集中できないようではせっかく良いものを使っても意味ないので、側圧に弱い方は要注意です。

 

 

3-2.ケーブル接続は左耳のみ


ほとんどのヘッドホンはそうなんですけどね。

ただ、左右どちらにも挿せるヘッドホンもありますので、それらに比べると使いやすさは劣りますよ、ということです。

ヘッドホンのケーブル挿入口が左にある場合は体を中心にして左側にインターフェースを、逆に右にあるならインターフェースも右側に、というのが原則だと思いますので、ご自身のデスク周りと照らし合わせてみてください。

まあ注意というほどではないんですが、やっぱり挿入口がある側にインターフェースを置くと、体に対してケーブルがクロスしないので扱いやすいですよね。

 

 

4.音評価


最初に断っておきますが、僕は何個もヘッドホンを持っているわけではなく、専門家のような評価はできません。

なお、今回の音評価に用いる比較対象は、スタジオモニターの世界基準となっている SONY の MDR-CD900ST です。

世界標準なだけあって所有されている方も多いと思いますので、一般ユーザーの感想ではありますが多少は役に立つ評価ができれば幸いです。

 

まず最初に両者を表形式にしてわかりやすく違いをまとめてみます。

  Listen Professional MDR-CD900ST
形式 密閉ダイナミック型 密閉ダイナミック型
インピーダンス [Ω] 32 63
周波数特性 [Hz] 5 – 22000 5 – 30000
感度 [dB] 122 106
音のキャラクター 空間的で中低域の密度が高い 平面的で周波数特性的にもフラット

 

MDR-CD900ST は非常にフラットな聞こえ方ですが、Listen Professional は中低域が強い印象があります。(あくまでモニターとしてフラットな範疇での話です)

前者がクリアでスッキリした音だとすると、後者はズッシリとしたリッチな音という感じです。

(なので、両者を聞き比べるとこもっているように聞こえるかも)

前者はイヤーパッドがかなり薄く実質オンイヤーなのに対し、後者はがっつりオーバーイヤーなので、その違いも影響しているかもしれませんね。

また、密閉型ではあるものの、音が空間的で奥行を感じられ、定位を掴みやすいのも特徴です。

 

MDR-CD900ST はよく検音用と言われており、平面的で非常にフラットな聞こえ方なので、確かに粗探しをするには向いていると思います。

ただ、あまりに特徴がなさ過ぎて聞いていてつまらないです。

もちろん、検音が目的だとすればそれで全く問題ないんですが、本当に仕事をしているという感じです。

 

一方、Listen Professional は、モニターヘッドホンでありながらも少し味付けのある上品な聞こえ方なので、いつまでも聞いていたくなる楽しんで聞ける、そんな印象です。

個人的には「モニター要素:リスニング要素=9:1」ぐらいに感じました。

 

そして、Listen Professional の特筆すべき点は、ダイナミックレンジの広さです。

細かい音まで拾ってくれるので今まで聞こえなかった音も聞こえてきます

逆に、一度に鳴るパートが多い楽曲、例えばロック系やEDM系なんかは、曲によってはいろんなパートが鳴りすぎてごちゃごちゃしてるように感じるものもあります。

ただし、これは決して悪いことではなく、「ミックスが下手に聞こえる=ミックスの善し悪しに気付ける」ということなので、モニターヘッドホンとして良い傾向かと思います。

歌モノやアコースティック系など、繊細な表現を含む楽曲で最もパフォーマンスを発揮できるように感じました。

 

 

5.まとめ


今回は、FOCAL のモニターヘッドホン、Listen Professional をレビューしました。

 

“Professional” と謳っているだけあって、音質はもちろん、耐久性や使い勝手など細かいところにまで気が利いており、プロの現場で使われることを想定した質の高い設計がなされていると感じました。

また、デザインもおしゃれで、使う喜びを与えてくれるような気もします。

 

では最後に、Listen Professional をざっくりまとめます。

  • 空間的で上品、モニター用途でありながら楽しんで聞ける
  • ダイナミックレンジが広く、繊細な表現(歌モノやアコースティック系など)が特に得意
  • デザインや使い勝手が高いレベルでまとめられており、まさにプロ仕様の設計

 

新しいモニターヘッドホンを探している方、普段使っているものに満足していない方、FOCALが誇るプロ仕様のヘッドホンを是非検討してみてください!

 

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