どうも!ぎたぺん(Twitter)です!
なんだか面白そうな製品を見つけちゃったので調査しました。
そいつの名は・・・
ōPik
(「オーピック」って読みます。)
何やら怪しげな雰囲気を醸し出しているこの物体、ōPik ・・・
今回はこの ōPik についてまとめました。
目次
1. ōPik って何ぞや
先ほどの画像を見ての通り、一見ただのかっちょいいピックアップですが、何やら怪しげに赤く光っていますね。
このピックアップ、実はこの赤く光る部分から赤外線を出して弦振動を拾うという、光学式ピックアップなのです!
(※注:赤外線は目に見えない光なので、この赤い光はただのLEDです。雰囲気って大事だからね)
詳しいメカニズムはわかりませんが、放出した赤外線を弦に当て、その反射を検出しているみたいです。
こちらの画像をご覧ください↓↓↓
赤く光る部分から放出した赤外線は弦にぶつかり反射して、ちょうど反射した先にある検出部で読み取られます。
弦が振動すると反射の仕方(光量)が変わります。
反射した赤外線が光電変換されることで、電気信号が生まれます。
へ~、光量の変化だけで弦振動を再現できるんですね。
個人的には、マグネティックPUやピエゾPUの方が、忠実に弦振動を拾えるような気がしますが、きっとすごい技術が詰め込まれているのでしょう!
マグネティック:
弦(金属)の振動によりコイル(ピックアップ)の中の磁界が変化し、誘導電流が流れる。
この誘導電流が電気信号。
ピエゾ:
弦の振動によりピエゾピックアップ(=ピエゾ素子)に圧力がかかる。
すると、圧電効果により電圧が発生し電流が流れる。
ōPik (光学式):
弦に赤外線を当て、反射した赤外線を光電変換素子により電気信号に変換する。
2. 特徴
で、結局 ōPik って何がすごいんじゃろ、という話です。
通常、エレキギターにはマグネティックPUが使用されます。
マグネティックPUにはその名の通り磁石が使われており、弦は金属なので磁石に引かれます。
そのため、弦振動のエネルギーは、自然に小さくなっていくのに加え、磁石の引力によってさらに収束が加速するのです。
一方、光学式PUは磁石を使用しません。
マグネティックPUのように弦振動の収束を加速させるような要素はないため、マグネティックPUに比べてサスティーンが長い傾向にあります。
こちらもマグネティックPUとの比較です。
マグネティックPUは、先述の通り電磁誘導により電流を発生させる仕組みを用いています。
そのため、磁界(厳密には磁束)を変化させることのできる材料を弦に用いる必要があります。
ナイロンは非金属であり、磁界を変化させることができないので、マグネティックPUでは振動を拾えません。
ですが、ōPik の場合は赤外線が反射すればいいので、ナイロン弦でも使えちゃうわけです。
ちなみに、ピエゾPUも光学式と同様に様々な材質の弦に対応できます。
これは個人的にめちゃくちゃ嬉しいです。
専用のiOSアプリと連携し、各弦の音量やEQを調整できるというもの。
ギターの弦は太さが違うので必然的に弦毎の音量も変わってきてしまいます。
もちろん、それを解消するためのエフェクター(コンプレッサーやリミッターなど)もありますが、これをピックアップの段階で調整してくれるのはありがたいですよね。
「応答速度(時間)=弦を弾いてから音が出るまでの速さ(時間)」です。
KICKSTARTER の製品ページによると・・・
And importantly, the signal travels at literally the speed of light—which means the ōPik’s response is even faster than a magnetic pickup, and is essentially instantaneous.
訳)光学式なので、信号は文字通り光の速さで伝わります。
その応答はマグネティックPUよりも速いです。
何やらオカルトチックな文章が書かれてます。笑
基本的に電気信号の伝達速度は光の速さとほぼ同じなので、この文章は怪しいですね。
応答時間に差が出るとすれば、光学式とマグネティックそれぞれにおいて、電流を発生させるまでの時間の差でしょう。
「弦に反射した赤外線を電気信号に変換するまでの時間」と「弦振動により磁界が変化し誘導電流が発生するまでの時間」の差です。
個人的には、人間に分かるほどの差はないと思いますが、実際に計測してみると速そうな気もしますね。
いずれにしても、マグネティックPUの応答速度に不満を持っている人はいないと思いますので、おまけ程度に考えておけばよいでしょう。
全く新しいメカニズムで弦の振動を拾うōPik 。
特徴を見てきましたが、一度試してみたい気持ちが高まりました!
まず見た目がかっこいいですし、サスティーンが長いとか、いろんな種類の弦が使えるとか、弦毎のバランスを調整できるとか、実用性も高いです。
マグネティックにはマグネティックの、ピエゾにはピエゾの音があるように、ōPik にも ōPik の音があります。
実用性抜きにして、どんな音なのかも単純に気になりますね。
製品ページに動画がたくさんあるのでぜひ聞いてみてください。
一方、ひとつ注意点があるとすれば、電源供給をする必要があるということです。
電源供給には専用のパワーボックスを使います。
ギターの OUTPUT とパワーボックスを”TRSケーブル”で接続します。(※TRSケーブル=ステレオ標準ケーブル)
(ギターの出力とパワーボックスからの電源供給を1本のケーブルで行うため、TRSケーブルを使います)
パワーボックスからはモノラル標準ケーブルで出力します。
エフェクターが一個追加される感じだと思ってください。
2020年4月15日現在、KICKSTARTER で$219から出資できます。($179の超早期出資枠は受付終了しました)
新しいもの好きのみなさん、ぜひ手に入れてください!
P.S.
光学式ピックアップについて少し調べたところ、既に大阪工業大学のとある研究室が作っていました。
こちらも ōPik と同じく光量の変化を検出しているようですが、室内の照明を拾ってしまうのでこのように遮蔽する必要があるとのことです。
ōPik は遮蔽する必要がないので、似ているようで異なります。
独自の技術を使っているという証拠ですね!